第55回 ふく鮨三太郎・蔀社長 

3,150円(税抜)

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◆この講演は1998年頃

蔀(しとみ)社長は昭和32年福岡県八幡出身。陸上自衛隊・特殊工作隊を経て、日本マクドナルドに10年勤務。日本一店長・カナダ留学を経て'90年にUターンし、経営コンサルタントとして約130社・8000人を指導研修。過労で倒れたことがキッカケで、'95年に宅配スシ事業に。独立当初の赤字自転車操業、3年目で一気に10数店舗するもO157の影響で売上激減・地獄の資金繰りを体験。が、宅配では日本一と云われる顧客管理システムを確立。味は並だが、圧倒的な仕入れ力と店舗展開で、スシ業界のマクドナルド的存在に。脱サラ起業〜現在迄の悪戦苦闘と実戦話をわかりやすく公開。


◆以下は2008年の雑誌インタビュー

私は、福岡で生まれ育ちまして、大学進学時に上京し学習院大学に進みました。が長続きせず、途中でやめました。その後陸上自衛隊の特殊工作部隊に入隊し24歳の時に日本マクドナルド社に入社し、飲食の世界に入りました。10年間で10回転勤6回転居致しました。福井から沖縄までは結構わかりますよ。マクドナルドで日本一の店長となりましてカナダに留学を致しました。しかし、このままでいいのかと自問自答し、やはり自己責任において仕事をしなければと。ならば社長になろうと。即ち会社をつくり社長になることを目的で起業いたしたのです。

 ドゥイットナウは、設立当初は経営コンサルティングの事業を手掛け、主に世界的に認知されていた販売心理学講座のチーフトレーナーとして一年後には日本一の業績を作り、その後営業を教育するコンサルティングの仕事が増え続けましたが、4年後私自身体を壊してしまい月商600万円が全くのゼロになりました。仕事も遊びも全く手を抜かずとことんやりました。しかし虚業であったと悟り「これではいけない。日銭商売を実業として再スタートを切ろう」と一念発起し、全く経験のない寿司業界で勝負しようと。根拠はありました。2〜3時間出前を待たせても当然という殿様商売で旧態依然としていた寿司業界を考察しこの業界にビジネスチャンスがあると確信いたしました。寿司に関しては全くの素人でありましたがマクドナルド勤務の経験もあり、仕組み・オペレーションを構築すれば必ず勝負できると。特に仕入れに関しては、米と魚に徹底してこだわりその道のプロに教えを請いながら勉強し素材を大切に吟味・選ぶことに心を注ぎました。そして顧客を極力お待たせしない宅配システム作りを検証し作りました。

 最初の店舗は、早良区の有田。あえて寿司屋の激戦区を選びました。結果は、当たりまして6,000万円強の年商を計上いたしました。

 しかし95年に宅配すし事業をはじめての2年間はひたすら顧客に喜んでもらうために良い「ネタ」を出したことで原価率が高かったことなど赤字経営で苦しみました。原価率が45%と相当高いものでした。その後多店舗化を実施したことによって、仕入の原価率を引き下げることができまして、また素材のこだわりとより早くデリバリーするサービスが徐々にお客様に浸透し着実に業績を上げていき九州地区での宅配すしのトップクラスに躍り出ることができました。がしかし、欲張ってはいけませんね。回転寿司への進出が大失敗に終わり大きな損失を出しました。6店舗出店し5店舗閉めました。約5億円の損失です。

 ある先輩経営者に言われました「なぜ階段は一段ずつあるとおもうか?地道に一段ずつ登るためだ。二段越ししようとするから転ぶんだ」その言葉をきいて過信・慢心が自身の中にあったと気づきました。この試練を越えねばと。その苦い経験から宅配すし事業のコア化に努めました。

 回転寿司の失敗で、今一度原点回帰できました。気付かされたことに感謝いたしました。九州・博多は魚の宝庫。魚で勝負。そしてサービス。これらでは他社には絶対負けないという自信はありました。

 そのこだわりの魚については、自らが河岸に出て自らの目で見て選ぶことを一貫して行うことです。机上の空論では無理ですね。魚にこだわると言っている以上トップである私が実践しなければならないのは当たり前のことです。毎月のメニューは、季節の旬を大切にしたラインアップを取り入れ夏は鰻・秋は秋刀魚・冬はふぐ等、さらに日々の仕入れによる2〜3品が変わる商品ラインアップなど工夫を凝らしました。入会費・年会費無料の会員制度(ふくちゃんクラブ)、シルバー特典の導入による割引制度、お客様アンケートによる顧客の生の声を集めて商品・サービス開発・改善に努めること、一人前からのお届けの実践、会員様の誕生日月にバースディハガキの送付とバースディプレゼント・特典の提供など、ソフト・ハード共お客様の喜ぶ顔を思い浮かべながらそして感謝する心を忘れず、おもてなしする姿勢でビジネスモデルを築き上げて参りました。

 そして徹底してやり続ける事の尊さ、これは大切ですね。一人でも多くのお客様に廉価で美味しい寿司を食べて頂きたい、そのためにはどうすれば良いのか、まだまだ改善・勉強の連続の日々です。毎日魚市場に出向いて魚屋の大将に教えを請います。お客様からの声ももっと戴きサービスに反映しなければなりません。

 近年は、「空弁」「旅弁」たる弁当の製造販売も順調で新たな顧客作りに貢献しております。また通販の「美味九州」にて全国のお客様に九州・博多の食を味わって戴きたいです。設立以来成功と失敗・挫折の連続でしたが、感謝する心を忘れずこれからも九州・博多発の食を広めることで、社会に貢献して参る所存です。市場環境など関係ありません。私たちがお客様のために何が出来るのか全力で挑戦することが、大切であります。
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